桜の実の熟する時

藤村に同名の小説がある。その本を手に取ったとき私は中学生であったが、親や姉たちが読んでからしばらく時間が経っていたのだろう、それはもう、紙が少し黄ばみ始めていた。 最初のページ、主人公が坂を上るシーン...

大阪駅「時空の広場」

大阪駅が新しくなったというので、出張ついでに見学した。 十幾つあるプラットフォームの上の大屋根の下、南北のデパートやショッピングモールとの間に架けられた、いわば跨線橋の巨大版である。オーケストラの演奏...

東京都児童会館

渋谷の事務所の近く、公園に隣接したところにその建物はあり、いつもは小さな子供たちの行き来が絶えない。そこに地震以来ロープが張られ、今日もまだ掲示がなされていた。 地震による影響があったと見えて、再開を...

パイのかたち

「ぼくには数字が風景に見える」(ダニエル・タメット著)を読んで 以前、小学生に対してだったか、円の面積や円周の長さを求める時の計算に、π=3.14を使うと難しくなるとかの理由で、π=3にするということ...

本と音楽について

何かを好きになる、何かに惹きつけられるというのは、もちろん個人的できごとであり、それが人生の転機を生み出すこともあるという意味では、一度は深く考えなければいけない事柄でもある。 と同時に、他の人とその...