小学校の通知表を廃止

神奈川県茅ヶ崎市立香川小学校(國分一哉校長、児童1013人)は、2020年度から通知表を廃止、という記事に出会った。(教育新聞2022年7月19日)

初めは2020年度から指導要領が新しくなることをきっかけに、「これまでの通知表を変えなくてはいけない」ということで、校長と教員と話し合ううち「一度なくしてみたら、保護者も子どもも、学習に対する感覚が変わるのではないか」ということになり、やがて実行に移されたということである。

詳細は教育新聞
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まだ実施して間もない。「現状は模索中であること」など、事細かに情報は保護者に報告されているという。
将来そのことの可否の判断が改めてなされるのだろうが、こうした決断をした先生方にまずは敬意を表したい。今まで当たり前として行ってきたことが、本当に必要で役立っているのかどうか、それを検討するだけでも賛否両論あるだろう。その話し合いがどれほど真剣かつ熱心に行われたかは、想像に難くない。
常日頃から何かしっくりこない感覚を覚えていたからこそ、校長提案の話題に火がついたのだろう。

どのような教育現場においても、指導者の方はどこかにいつも、気にかかるものを抱えながら、でも日々の忙しさや疲労のため、それが何かを考えることは後回しにされることが多いに違いない。関わる全員が一緒になって現状にストップをかけることは、何事であれ大変なエネルギーがいるだろう。きっとそのエネルギー自体が生徒に伝わり、生徒自身もまた何事かに気づく機会をもつに違いない。そして生徒の変化が、今度は保護者に対しても何かの気づきを生じさせるのではないか。先生方の思いが燎原の火となり、さまざまな気づきがあちこちに生まれていく、そんな風景が想像される。

私の携わっている英語教育でもやはり変えてもらいたいことがある。それは英語という学科を成績から離して、言葉それ自体として理解し、味わう学習スタイルを提唱したく常々思っていたので、この「通知表の廃止」には快哉を叫んだ次第だった。