急がば回れ!

中学1年生の初めは、知識の優先をしないで、まずは音読の徹底という授業にしてはどうでしょうか? 音読で十分に英文に馴染んでから知識に向き合うほうが、混乱は少ないと言えるでしょう。

中学校では、学習の初めから知識をはじめ、何もかも説明しようとするしかない、そう考えられてきたのではないでしょうか。しかし、一旦知識は横に置いて、ひたすら教科書の音読をやりませんか。4月いっぱいでもいいし、教科書丸ごとなら、1学期は音読のみ、というのがいいかもしれません。音声に関して習熟すれば、後からの知識が入りやすくなると考えられます。

音読・素読はただ読めるというのとは異なり、日本語にはない音の表情、強弱やイントネーションから得られるものも多いはずです。音読だけをしていて、意味や知識がないので不安だと感じる生徒もいるかもしれません。しかし、今までは知識分野の学習についていけない、多くの脱落者を出していたのに対して、できる生徒も音読をするということでは、足並みは揃いやすいでしょうし、知識はその後与えていくのですから、一度そのサイクルに慣れれば不安も消えるでしょう。自分の言葉として英文を音読できるようになれば、大成功です。

知識を授業開始と同時に与えるより、質の高い音読に慣れることが先。知識はそれからあと与える方が効率が良いと考えるのですが、いかがでしょうか。そして訳は日本語をつなぎ合わせるのではなく、自分で訳す「語順訳」の方法がお勧めです。受動的に説明を聞くのではなく、自分から音読し、訳をする活動をすれば、自分から知識を求めるようになるのではないでしょうか?