暑いとはいうけれど

江戸と呼ばれたエリアは今の23区内よりずっと狭く、またそこに今より人口が密集していたという。
しかも屋根は黒い瓦のため夏の暑い光をどんどん吸収する。
シーボルトがそのことを日記に書いているという。

現代はエアコンがあり、涼しいところに逃げ込むことができる。
熱中症対策もなんとか可能である。
江戸期の暑さは地球温暖化現象によるものではなく、自然現象。
だから特別な対策があったわけではない。
だからか、金魚を愛で、朝顔に感じ入り、花火に興ずる。

今でもそれは変わらないのだろうけれど、どこかに苦い思いが連れ添っている。
私たちみんなが罪人であるかのように、俯き加減である。

江戸時代に思いを馳せて、即席で

黒屋根の 光かがやく 暑さかな

漆黒の 屋根の向こうに 花火あり