中学の英語教科書を語順にそって訳してみる   その23

〜英語の基礎力をつけるための語順和訳と音読〜
NEW CROWN3より、‘A Present for You’ 第2回

She stood by the window and looked out.
She stood         彼女は立った stoodの原形はstand(立つ)
              主語→述語動詞の形式です。
by the window       窓のそばに→ 彼女窓のそばに立った
and                            そして  このandはstoodと後のlooked outが
               同じ働きであることを示しています。主語は共にShe
               → 彼女窓のそばに立った、そして
looked out         外を見た→ 彼女は窓のそばに立った、そして外を見た
               → 彼女窓のそばに立ち、そして外を見た

It was snowing.      Itは季節や時間を表すときに主語として使います。
              訳しません
               It was snowing→ 雪が降っていた
              (It is raining.→ 雨が降っている。
               It is summer→ 夏だ(夏である)

She saw a large gray cat that had large gray eyes.
She saw          彼女は見かけた
             ここも人称代名詞の主格がきて述語動詞につながっています。
a large gray cat     冠詞+形容詞+形容詞+名詞なので
              一匹の大きな灰色の猫
              → 彼女一匹の大きな灰色の猫を見かけた
that            thatは、後ろの語句had large gray eyesが、その
              前のa large gray catを修飾することを示すもの。
              関係代名詞と言います。
had            をもった→ 彼女をもった一匹の大きな灰色の猫を
              見かけた (hadの原形はhave(を)もつ)
large gray eyes.     大きな灰色の目→ 彼女大きな灰色の目をもった
              大きな灰色の猫を見かけた。(彼女は大きな灰色の
              目をした大きな灰色の猫を見かけた)

It was walking slowly on a gray fence in the gray yard.
It            それは=The cat
was walking       歩いていた→ それは歩いていた
slowly          ゆっくりと→ それゆっくりと歩いていた
on a gray fence             灰色の塀の上を→ それゆっくりと灰色の塀の上を
              歩いていた
in the gray yard.            灰色の庭の(庭の中の)→ それゆっくりと灰色の
             庭の灰色の塀の上を歩いていた
             日本語では「ゆっくりと歩いていた」としたいところ
             ですが、英文ではon以下の語句よりも先に来ている
             ので先に訳します。

Everything looked gray.

Everything       すべてのこと
looked         に見えた→ すべてのことが・に見えた
gray.          灰色→ すべてのこと灰色に見えた
             雪の中の風景であるとともに、途方に暮れたデラの
             気持を象徴してもいます)

“I’ll have to sell something,” she said to herself.
“I’ll have to        I’ll=I will   私は‥しなければならないだろう
sell           売る→ 売る・しなければならないだろう
             → 私売らなければならないだろう
something,”                   何か→私何かを売らなければならないだろう
she said         彼女は言った→ 私何かを売らなければなら
             ないだろうと、彼女は言った
to herself                 彼女自身に→ 私は何かを売らなければならな
             いだろう、と彼女は彼女自身に言った=彼女は
             自分に言い聞かせた。 
             「私何かを売らなければならないわ」と
              彼女自分に言い聞かせた。 
             say to oneself と心の中で思う。自分に言い聞かせる。
             あるいは、ひとり言を言う。

“But is there anything to sell?”
“But           だけど
is there                         疑問文の形になっています
             ‥がある?→ だけど‥がある?
anything                        何か→ だけど、何かがある?
to sell                           不定詞です。anythingにかかるので、ここは
             売るための何かがある(かしら)?→ 「だけど
             何か売るものがあるかしら?

語句のまとまりをみつけられるようになってきたでしょうか?
さて、語順訳が終わればもう一度英語を見て、自分で日本語に訳してみよう。解説部分を隠してやってみてください。また見本の音声を区切りまで聞いては止めて、意味を言ってみる練習もしてみましょう。
それができるようになれば、文単位で英語をスラスラ言えるように練習します。さらに、できたら、この作品の最初から英文を音読します。くりかえし、何度でも。音読練習に終わりはないので、こうした練習は日課にしてしまいましょう。意味を理解した上で文を音読することで、必ずあなたの英語力は上がります。文法的なことは、理解できればもちろんいいのですが、わからなくても焦らないで、とにかく英文を語順に沿って意味をとり、意味をとっては音読をする。このことだけでも英語の理解は進むはずです。


何よりもまず、物語を楽しみましょう。何が書いてあるのか、この先どう展開するのだろうか、筋をたどりながら訳しましょう。そうすれば、Everything looked gray. だった英語の景色が少しずつ変化し、goldに見えてくるかも、です。
                                  (つづく)